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「久米島産の素材で作りたい」有限会社久米島特産品開発

那覇からのフェリーが入港する、久米島の海の玄関「兼城港 (かねぐすくこう) 」。

 

その港がある集落「兼城 (かねぐすく) 」を通る県道を車で走らせ、住宅地から少し山あい

に入ったところに「久米島特産品開発」はあります。

 

サトウキビを原料とした黒糖製品から、紅芋やローゼルなどの沖縄特有の農産物を加工し

て魅力的な商品の数々を製造・販売している会社です。

和気あいあいとした職場の雰囲気の中、代表の田場恵子さんに会社を作ったきっかけを教

えていただきました。

「今から24 年前、平成6年に設立しました。設立当初は、私より年上の先輩たちと一緒に

立ち上げたんですよ。今はいろいろな商品を展開していますが、実は最初は黒糖作り一本

から始まったのです。当時から島内に大きな製糖工場はあったのですが、大手さんよりも

手間暇かけて、独自の作りたての純黒糖を作りたいという想いで始めました。あの頃は、

けっこう量も作りましたよ。1日に、何トンってくらい。」

 

どこよりもピュアな質の良い黒糖を作りたいという想いでスタートした久米島特産品開発。

 

しかし、その想いとは裏腹に、経営としては決して順調な滑り出しではありませんでした。

 

「会社を始めた頃は、うちの純黒糖の値段はだいぶ高めでした。今は品質が良ければ売れ

る時代だけど、当時は一般家庭からは「ちょっと高くて買えないねー」という評判で、販

売にはかなり苦戦していました。そこで、スタッフみんなで経営方針について何度も話し

合ったのです。『このままじゃ、やっていけいない。純黒糖じゃなく、加工品に変えないか?

加工ならちょっと値段を落とせる。』そこから、加工品に方向転換しました。サトウキビか

ら黒糖以外にも、紅芋などの他の農産物にも挑戦し始めたのはその頃です。というのも、

農家さんから『集荷のときに、規格外品が余ってしまっているのがもったいない。規格外

品を使って何か作れないか?」という声をよく耳にしていたのです。せっかく丹精込めて

作った美味しい作物が、ちょっと大きいとか小さいとかで捨てられてしまうなんて本当に

もったいないじゃないですか。大量に出る質の良い久米島産の農作物を使って、何か商品

づくりが出来ないか。そんな想いで、黒糖以外の加工品にもいろいろと挑戦し始めました。」

 

島の素材を使って、様々な魅力的な加工品の販売に舵を切った「久米島特産品開発」。

 

数々の商品の中には、久米島以外の原材料が使われることもあるのでしょうか?

 

「島外のものは、全く使っていないです。会社を始めた当初から今まで、一貫して島内の

農作物だけを使用しています。久米島100%。本当に、久米島の農作物の種類ってもの

すごく豊富なんです。久米島でこれだけの農産物があるってことを、もちろん久米島の外

の人は知らないわけですよね。だから、久米島の恵みをもっと伝えたいんです。『島のもの

以外は使わない』は、誇りなのです。」

強いこだわりを感じさせてくれる、「久米島産100%」。

 

ほとんどの農産物は複数の生産者さんから入荷しているので供給は安定していますが、

「ローゼル」だけは1軒の生産者さん頼みなので、大きな台風が来る年はヒヤヒヤすることもあるそうです。

 

平成6 年からの長い歩みの中、特に苦労したことは何だったんでしょうか。

 

「苦労・・・ありましたよー。一番苦労したのは、実は「紅芋」。紅芋の加工品を売り出し

始めた当初は、「芋のお菓子なんか売れるわけないよー」って散々言われまして。今でこそ

紅芋のスイーツなんか沖縄らしくて人気がありますが、昔は沖縄の家庭では紅芋はありふ

れ過ぎていて、見向きもされませんでした。売れ始めるまで、5〜7年くらい掛かりまし

たね。在庫を抱える年もありました。他の作物を使ったジャム等は「へー、珍しいねー」

って言われていたんですけど、紅芋はだいぶ時間はかかりましたね。」

一度や二度ではない苦労話も、おおらかに語ってくださる田場社長。

 

諦めずに根気よく続けるお人柄がにじみ出ています。

 

苦労することも多々ありますが、お客様からの喜びの声が直接届くことも。

 

「ちょうど2〜3日前も、東京から電話があったんです。黒糖の加工商品ですけど、「こ

の間、小さいのを1つだけ買ってみたら、すごく気に入ってしまいました!これ、地方か

ら注文できますか?」ってお問い合わせがありました。最近だと、マンゴージャムをケー

スで注文してくれた個人の方もいましたね。観光で久米島に来られた方や、「離島フェア」

などの物産展で買ってくれた方が、また何度も買ってくださるリピーターさんになってくだ

さることもあるんです。そういう時、「あ、この仕事をしてよかったな。」って感じます。

久米島内で毎月開催している「久米島直売市」でもファンになってくださる方が増えてき

たんですよ。」

そうやって全国各地から喜びの声を頂けるのが、仕事を続ける原動力になっているんです

ね。

 

では、そんな田場社長がこれから目指しているのはどんなことなのでしょうか?

 

「島の外へはもちろんなのですが、実は島の人に「島の素材がこんな美味しいんだよー」

ということをもっと知ってほしいです。島の素材しか使わないという私たちの誇りを、

そこに役立てたい。久米島の素材の良さがもっと地元に浸透して、島への誇りに繋がって

ほしいです。だから、島の人たちにもどんどん味わってもらえるチャンスを増やしたい

です。島の中でうちの商品の知名度はまだ低いと感じています。

うちが求人を出す場合は、商品作りに情熱がある人に来て欲しいです。未経験でも ぜんぜ

ん構いませんので、「これ使って見たら、どんな風になるかな?」とか、色々試してみたい

意欲のある人が一番いいですよね。そうやって、「これ失敗だったねー。じゃあこうしてみ

ようか。」と一緒にものづくりに試行錯誤できる人がいいですね。」

 

求人については、実際に働いている従業員さんにもお話を伺ってみました。

「時間の自由が利くので、働きやすいです。年中を通してずっと働いているわけではなく、

例えば雨で紅芋が不作の時は休みになったり、逆に忙しい時期は多めに入ったりしていま

す。コツコツ作業が出来る人が向いていると思います。」

島の素材100%にこだわり、添加物を使わない優しい味の数々。

「久米島特産品開発」のこんな温かい現場から一つ一つ丁寧に生まれています。

インタビュー:中村サッシ