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久米島に惚れ込み、一軒家を購入して「しまのほんや」を開業! [2025.09 interview]

久米島に惚れ込み、一軒家を購入して「しまのほんや」を開業! [2025.09 interview]

 

  • 金子さんファミリー(直樹さん、麻里さん、杏菜ちゃん)
  • 2022年に移住
  • ご夫婦ともにフルリモート勤務


 

 

1. 島暮らしを決めたきっかけは「老後の夢」と「コロナ禍のリモートワーク」

—まずは久米島に移住される前のことを少し教えてください。

直樹さん: 私は兵庫県出身で、上京後はITエンジニアをしていました。妻とは東京で出会い、結婚する直前に「島に住みたい」という話が持ち上がりました。

麻里さん: 私は元々、老後の夢が「田舎に住みたい」だったんです。当時していた仕事にちょうど区切りをつけてもいいかなと思っていた時期で、「今しかできないことって何だろう?」と考えた時に、「島に行きたい!」と思い、夫に提案しました。そしたら乗っかってきて。笑

—リモートワークが移住を後押ししたそうですね。

直樹さん: ちょうどコロナ禍の真っただ中で、会社もどんどんリモートワークしましょうとなっていて。島暮らしをするとなると、仕事を辞めて現地で探すという大きなハードルがあると思うんですけど、それをうまく回避できた形ですね。

麻里さん: 私も通勤していた仕事から、リモートで働ける仕事に転職してから移住しました。

 

2. 移住の決め手は「松並木」の風景!?

—数ある離島の中で、久米島を選んだ理由は何ですか?

麻里さん: 最初は石垣島とかも考えていました。

直樹さん: 東京で開催されていた移住フェアで、久米島のブースに偶然立ち寄ったのがきっかけです。最初は久米島の話を聞くつもりはなかったんですが、ブースが空いていたのでそこで話を聞いて「一度行ってみるか」と。

直樹さん: 実際に久米島に来てみて、空港でレンタカーを借りて、空港を出て左手に曲がった先の、あの松の並木道を見た瞬間に「もうここにしようか」って。笑

麻里さん: 「あ、ここだ」って。「求めてる田舎だね」って2人で一瞬で意気投合しました。

直樹さん: その時が2022年2月で、そこから約9ヶ月後の11月には移住しました。

 

3. ゴミ箱の出品が繋いだ縁。一軒家購入と島の付き合い

—現在の家を見つけた経緯は?

直樹さん: 移住当初は1LDKのアパートで、家探しに半年ほどかかりました。

麻里さん:ありとあらゆるサイトを毎日見て。笑

麻里さん:最初は広めのリビングがある間取りを探していましたが、島では空き物件が少なく、贅沢は言っていられないと。家探しは本当に苦労して、「見つからなかったら移住検討をやめるか」という瀬戸際で最初のアパートを見つけたんです。

直樹さん: いまの家は、「久米島 あげます・譲ります・貸します掲示板」がきっかけでした。私がゴミ箱を出品したところ、受け取ってくれた方と私が偶然、兵庫県の隣町出身だと分かって、面識ができたんです。

直樹さん: 「今住んでるアパートから、将来的にはもう少し大きい家に引っ越したいんです」と話していたところ、約1年半後に「空いてるから見てみる?」と電話をもらいました。

麻里さん: 家を見た瞬間、もう一目惚れでした。「ここだね」って。

—家はかなり修繕されたのですか?

麻里さん: キッチン、お風呂、トイレはリフォームしました。キッチンは完全入れ替えですね。それ以外は大きな修繕はせずに、老朽化が進んでいた部分や、外のコンクリートが落ちてきて危ないところだけ直しました。あとは白アリ対策として、柱の一部を交換したぐらいです。

直樹さん: 子どもの出産予定があったので、リフォームは急ぎました。11月くらいに家を買ってから仏壇を移動してもらったりして翌年3月に引き渡し、5月には住みはじめました。生まれたら片付けは無理だろうと、必死で掃除や片付けをしましたね。

—一軒家での暮らしに変わって、生活に変化はありましたか?

直樹さん: 知り合いは増えたし、お裾分けをたくさんもらえるようになりました。

麻里さん: 一軒家になってからはみんなフラッと来てくれるようになりました。

直樹さん: 家を買ったことで、島の人たちが「この人は長くいる」と判断してくれたのか、一気に距離が縮まったような気がします。

 

 

4. リモートワークと「しまのほんや」開業

—お仕事は現在もリモートワークを継続されていますが、島での不便さはありますか?

直樹さん: 前のアパートには蓄電池がなかったので、台風が来ると停電して強制的に「夏休み」になっていました。笑 幸い会社側もどうしようもないと理解してくれていましたが、現在の家は蓄電池をつけたので、その心配はなくなりました。

麻里さん:「そろそろネット切れそうです」と事前に予告しておいて。笑 音信不通になったらごめんなさい、という形で対応していました。

—この家で「本屋」を始められたきっかけは?

直樹さん: 私は本が好きなのですが、久米島には本屋がありません。「本屋がないなら作ろう。一軒くらい本屋があってもいいだろう」と、妻と軽い気持ちで始めました。

麻里さん: この家を探している時から、本屋をやりたいという考えはありましたが、子どもが生まれてバタバタしてたので、今年に入ってから少しずつ準備を進めました。

—本の選書や運営でこだわっていることはありますか?

直樹さん: 売上は全く目的としておらず、「潰れない本屋」をコンセプトに、基本的に趣味でやっています。頑張りすぎると嫌になってしまうので、無理はしないようにしています。

直樹さん: 置いてある本はテーマを設定していて、今は「島暮らし」ということで、海の話や、サバニ、自然と人の関わり合いといったテーマで選んでいます。今後は、一定周期で入れ替えたいと思っています。

—営業時間はどうされていますか?

直樹さん: ちょうど子どもがお昼寝から起きてくる時間に開店して、そこから晩御飯の支度をするまでの数時間を営業時間にしています。

直樹さん: 将来的には今まで那覇に行っていた人が本を買えたり、観光客、絵本一冊だけ買いたい人が気軽に立ち寄れる場所になれば嬉しいです。

5. 子育て環境と島の生活

—島での子育て、困っていることはないですか?

麻里さん:雨の日に遊ぶ場所が少ないこととか?

直樹さん: 晴れの日は自宅の庭で遊んだり、雨の日は空港の2階のキッズスペース、図書館などを利用しています。島内にはたくさんの子どもがいますが、他のお子さんやご家族に会うタイミングは意外と少ないです。

直樹さん: あと移住して子育てする人に向けてのアドバイスとしては、「意外と保育園に入れない問題」があります。「田舎だから大丈夫だろう」と思われがちですが、実際に今年も待機児童が発生してるそうです。僕達は夫婦ともにフルタイムで働いている扱いで、そらなみ保育園に入園できました。

—医療面での不安はありませんか?

麻里さん: ある程度のものは久米島病院で対応してくれるので安心です。

直樹さん: 小児科の先生がいないタイミングでは、専門外の先生が見てくれることもあって。やはりいつも見てもらっている小児科の先生に見てもらいたいなとは思うけど、それでも島に病院があるのは大きいですね。

—久米島の暮らしで気に入っている場所はありますか?

麻里さん: 畳石と奥武島の景色はよく見に行きます。あとはミーフガーが好きで、一瞬だけ行ってパワーを感じて帰ることもあります。笑

直樹さん: 「行きたいところにすぐ行ける」というのが久米島の良いところですね。すべて15分圏内なのが便利です。

麻里さん: 子どもと歩いているだけでみんなに声をかけてもらえるので「島のアイドル」状態。そういう温かいところもとても良いなと感じています。

 

6. 久米島移住を検討している方へ

—久米島への移住を検討されている方へ何かアドバイスがあればお願いします。

麻里さん: 何より家探しは粘り強く、しつこく、毎日チェックすることですね。

直樹さん: 私たちのように、「アパート暮らし+リモートワーク」という組み合わせで、内地での暮らしからソフトランディングすることもおすすめですね。自分たちの生活のペースを守りつつ、島のイベントなどに少しずつ参加して、島の暮らしに慣れていくのが良いと思います。

—本日は貴重なお話しありがとうございました!


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