◆セミナー◆ 第1回「地域の世話役養成塾(既卒者向け講座)」
◆セミナー◆ 第1回「地域の世話役養成塾(既卒者向け講座)」
7月22日(金) 沖縄県博物館美術館で開かれた『第1回 地域の世話役養成塾(既卒者向け講座)』へ出席してまいりました。
※地域の世話役養成塾(既卒者向け講座)とは、昨年度に県の主催にて行われた「地域の世話役養成塾」第1回~第4回へ参加した者を対象とした講座であり、昨年が新しい知識をインプットしていくことを主目的とした研修であったのに対し、今年度は「今後実際に地域の中で活動する中で出てくる“課題”に対してどのように対処していくのか」を、現在自らの住む地域で行われている活動等を振り返りながら、具体的に考察していく機会となることが目的とされています。
第一回地域の世話役養成塾(既卒者向け講座)概要
昨師:嵩和雄氏(NPO法人ふるさと回帰支援センター 副事務局長)
① 地域のステークホルダー分析:地域の中で世話役として活動し、業務をスムーズにすすめていく為に、地域の中でのステークホルダーを割り出しながら、どのように働きかけていくべきかを考える。
② 富山県朝日町笹川集落視察に向けて:昨年度の研修内容を振り返りながら、何を見て何を学んでくるべきかを整理する。※9月に上記視察研修が予定されているため。
第一回地域の世話役養成塾(既卒者向け講座)参加レポート
今回の座談会形式で進められたお話の中で、特に印象に残ったのは、移住定住促進やまちづくりの一環として、日本版DMOが上手に機能した岐阜県での活動例や、地域商工会と町役場とが協力して行った秋田県での「事業引継ぎ支援センター」の成功結果などの、国内にある具体的成功例のお話でした。
(DMO:英語の「Destination Management/Marketing Organization」の略。官民協働で市場調査などの手法を用い、経営的な視点から「観光地域づくり」を進める法人)
またその一方で、現在地方で増えている課題「継業」についてのご説明も大変勉強になりました。地域にある事業を第三者に後継したいが継手になる人がいない。継手がいても「借金のない状態での継業が困難」だっ
たり、「押売継業」の様になってしまう状況もあり、継承していきたい事業が消滅してしまう危機が多く存在している。地域でなくなってしまうと困る仕事においては、地銀などを中心にサポートを検討していく必要もあり、また、住民と継手(移住者など)で「継いでほしいもの+その人(継手)がやりたいこと」への認識や体制を地域ぐるみで作っていく必要があるのではないかとのお話でした。
また、9月に予定されている、富山県朝日町笹川集落への視察に向けては、あらためて昨年度の講座(全4回)を振り返りながら、久米島町としては今、何を見聞きしてくるべきかを考えました。笹川では平成25年から、元区長である住民が代表となり住民活動をまとめ、盛り上げ、地域活性、そして人口問題に結果を残してきました。しかし、その活動の中には、数々の壁や課題があったことを昨年度第3回講座でお聞きしました。訪問させていただく際には、その壁や課題を乗り越えた際のお話をあらためて詳しくお聞きして、「キーポイント」となった部分などを見つけてきたいと考えています。また、笹川では、移住希望者への体験施設を建設、活用しており、その施設の建設から運営、現在の状況(結果)なども、久米島においても今、もしくはいずれ必要(効果的)施設となる時期がくるかもしれないという視点のもとに見聞きしてきたいと思っております。
今回の講座では、沖縄県内の移住定住にまつわる活動状況や情報だけではなく、全国で起きている地域活動やまちづくり活動の具体例や状況を聞かせていただくことで、全国的にどこも類似する課題や問題を抱えていることを改めて実感しました。同時に、さまざまな課題や問題と向き合いながら、「活動を続けていくところ」、「活動を止めてしてしまうところ」、「一度止めたけれど再起するところ」、「まだ活動を始めていないところ」…と、さまざま存在することをあらためて知る思いとなりました。移住定住促進やまちづくりの活動は、ある程度の時間を必要とするものと感じている中で、久米島町でのこれらの活動においては、課題や問題があったときでも、やめずに、出来ることからこつこつと継続されていくことを願う気持ちになりました。また、島コンとしては、現在の活動に取り組むとともに、「地域の方々の活動が今後ずっと継続されるために必要なことは何か」を同時に考えていけると良いのではないかと思いました。岩崎