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◆セミナー◆第1回「地域の世話役養成塾」

◆セミナー◆第1回「地域の世話役養成塾」

第1回「地域の世話役養成塾」

 7月21日(金)  那覇市にある沖縄県立博物館の会場で開かれました「第1回世話役養成塾」へ出席してまいりました。

※沖縄県では「移住者受入促進には移住希望者と地域住民をつなぐ世話役の存在が重要である」とし、昨年度から世話役を担う人づくりの一環として「地域の世話役養成塾」を開催しております。

 養成塾には県内各自治体から世話役候補である地域住民の方や移住定住業務担当職員が参加していました。塾は全4回を予定しており、第1回目である今回は徳島県佐那河内村で移住定住を担当している職員の安冨氏より、佐那河内村での取り組みをお話していただきました。

徳島県佐那河内村の取り組み

 佐那河内村は徳島県の中で唯一の村であり、昔ながらの住民同士の繋がり(沖縄の字ごとの自治会や模合など)が残る地域です。だんだんと人口減少が進み、このままでは大切な地域の繋がりが維持できなくなるという危機感から、空き家を活用した移住支援に取り組み始め、その結果、昨年7年ぶりに社会増(転出者より転入者が多いこと)を達成した地域です。

 佐那河内村で移住支援を始めようとしたところ、まず問題となったことが”住む場所”だったそうです。民間のアパートは1件もなく、不動産業者も村にはなかったため、移住者を受け入れるためには空き家の活用が必要だったそうです。

 1年目、2年目は担当の安冨さん自らの足で村内の空き家を調べ、確認することから始め、その後大学と連携協定を結び、古民家の耐震・構造を研究テーマとして提供し、学生を巻き込みながら空き家の改修を進めていったようです。改修した空き家では「移住アートプロジェクト」「移住交流事業」を開催して多くの人に関わってもらっていました。

 また、3年目からは移住交流支援センターを立ち上げ、空き家交渉、契約、改修、資金の融資をそれぞれ地域の団体や住民と連携協力し、支援センターが空き家移住に関するワンストップ窓口として活動することで、スムーズな移住支援を実現しているようでした。

 さらに、民間の移住支援団体が2つ立ち上がっており、団体が地域と移住希望者の間に入り、お互いの思いを聞き、伝えることで失敗しない移住をサポートしているのも素敵な取り組みだと感じました。

第1回世話役養成塾に参加して

 佐那河内村では役場職員だけでなく、地域住民が参加する移住支援団体、空き家交渉を担当する集落支援員、契約を担当する不動産会社、改修を担当する建築士、資金融資を担当する地銀・JAなど地域の色んな人々が関わっているのが印象的で、とても良い取り組み方だなと感じました。地域の中には、その地域の未来について考えてくれる人々がたくさんいて、それぞれの出来る範囲・得意な分野で協力してくれる人々もたくさんいるのだと思うと、そういった方々を巻き込み、繋ぐように動けることが大切で、そういった力が世話役には求められるのではないかと感じました。

 今回のお話では、成功した例だけでなく、失敗例、困った例も多くきけて、とても参考になりました。久米島ではまだ空きアパートも多く、空き家については取り組みが少ないですが、今後必要になることだと思うと、今非常に多くの学びがありました。また今後の活動に活かしていきたいと思います。(上江洲)