久米島町民と移住希望者のための
久米島でのくらしが豊かになる
情報ポータルサイト

 

◆セミナー◆第3回「地域の世話役養成塾」

ダミー画像

◆セミナー◆第3回「地域の世話役養成塾」

12月6日(火) 沖縄県南部庁舎(那覇市:旭橋駅直結)で開かれました『第3回 地域の世話役養成塾』へ出席してまいりました。


※沖縄県では「移住者受入促進には移住希望者と地域住民をつなぐ世話役の存在が重要である」とし、今年度から「3年間で各市町村 1人以上を目標」に掲げ、地域の世話役を養成することとしています。


養成塾は全4回で、今回第3回目では、富山県朝日町笹川地区自治会長の小林茂和さんによる講話『廃村の危機から挑戦~笹川自治振興会』をお聞きしました。笹川地区は平成25年に「定住・半定住受入モデル地域育成支援事業」となり、小林さんは「住みたい里・笹川」推進プロジェクトの実行委員長に就任し、地域住民、町役場、県担当者と協力しながら活動し、見事な成果を昨年、そして今年と残すこととなりました。活動内容も大変参考になりましたが、何よりも、小林さんの「人」としての活動への取り組む姿勢・その「心持ち」が何より印象に残りました。


以下、笹川地区で取り組んだ活動の中でも中心的アクションとなった、『かがやきプロジェクト』についてご報告します。


●『かがやきプロジェクト』とは
「笹川に訪れたい、触れたい、暮らしたい」と思えるような「地域の基盤づくり」のために、必要な課題に取り組むチーム(8つ)の発足と活動。


チーム①暮らしの安全、安心推進チーム
チーム②住まいの提供推進チーム
チーム③就労支援推進チーム
チーム④交流・体験施設推進チーム
チーム⑤特産品の充実推進チーム
チーム⑥笹川のブランド化推進チーム
チーム⑦史跡等のブラッシュアップ推進チーム
チーム⑧ウェルカム推進チーム (おもてなしチーム)


●チーム発足にあたって、笹川の『現状』と笹川の『課題』の整理
現状①町の中でも地域活動が活発で特産品の生産等、生き甲斐を深める取組みを積極的に行っている。
現状②上記取組みにより笹川の住み心地の良さに移住者が増え始めており、外国からの移住者もいる。
現状③北陸新幹線を見据えた観光戦略をより一層進める必要がある:今がタイミング(最後のチャンス?)


課題①高齢化率が47.06%(平成25年10月現在)と高齢化が進行している。
課題②すぐに住める空き家が少なく、マッチングに苦慮している。
課題③有害鳥獣対策により被害は減少しているが、ミョウガ畑や家庭菜園が荒らされている。


●『現状』と『課題』を整理したうえで、『課題解決』のために考察することの絞り込み
考察①より安全・安心な里にするための取組
考察②生産者育成のために、特産品の開発・拡充
考察③地域・人・モノ(特産品・文化財)をPRする宣伝方法の確立(生産者、地区トップセールス等)
考察④交流人口拡大のための施設の検討及びきめ細やかな空き家情報の管理、活用方法の検討
考察⑤「人の顔が見える」地域参画体制による、定住者が地域に溶け込みやすくなる環境づくり

上記「現状」「課題」「考察内容」から、8つのチームを発足させる上で軸になるのは「笹川に訪れたい、触れたい、暮らしたい」と思えるような基盤をつくるための活動チームであること。そしてそれは、チームメンバー自身が楽しんで出来る活動であり、何より住民のためになる活動内容(地域活性)であること。


●笹川での取り組みの結果
笹川では、平成25年より「かがやきプロジェクト」を中心に活動し、その結果、平成26年・27年には、初めて「高齢化率の減少」という結果を得た。今では、「モデル地区」として県内外からも大変注目されている自治体となる。


※セミナー参加レポートを別に作成しております。ご興味のある方は仲原家にてお声かけくださいませ☆

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「地域の世話役養成塾」は、毎回違う講師の方の講話をお聞かせいただくのですが、第1回(10/4)は「行政職員」として移住促進活動に取り組まれたお話、第2回(11/1)は「専門家(元大学教授)」としての移住に対する見聞・見解によるお話、第3回(12/6)は「一住民」として移住定住促進活動(地域活性化)に取り組まれたお話でした。今回の講師、小林さんは、もともと区長をなさっていた方で、「かがやきプロジェクト」をきっかけに、笹川全体の地域活性化活動の代表となった方でした。小林さんのお話の中で特に印象的だったのは、「何のために地域活性が必要なのか」「何のために移住推進するのか」の答えとして、「住民のため」という明確な想いがあったことだったと感じます。笹川は年々人口は減少(特に子どもの数・現役世代の数)、そして高齢化率は上昇という状況が続き、このままでは『限界集落』となってしまう。そうなってしまってからでは…という強い意識があった小林さんは、持ち前の人柄と笑顔、そしてゆるがぬ『理念』によって、住民、そして時には行政職員もまきこみ、大変不利(過去の地域内での事例などもあり)と言える状況から、『あきらめない』姿勢で『楽しく』取り組んだとお話しされました。

「地域の世話役養成塾」は、次回、第4回が最終回となるそうです。岩崎