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「楽しいことしかやらない」たつみかずき氏の考える地域活性化とは?【まちづくり講演会書き起こし③】

「楽しいことしかやらない」たつみかずき氏の考える地域活性化とは?【まちづくり講演会書き起こし③】

3/5(火)に開催したまちづくり講演会「久米島の『次の一手』を考える」~地方創生のその先へ~。講演内容を書き起こしました。第3回は、LODEC JAPAN(ロデックジャパン)合同会社 代表社員、たつみかずき氏の話です。


前回記事:ソシオデザイン大西正泰氏が語る「まちづくりの基本原理」とは?【まちづくり講演会書き起こし①】 | 【沖縄・久米島の移住定住情報】島ぐらしガイド

まちづくりの鍵は「身の丈起業家」と「地元の人」!?まちづくり講演会書き起こし② | 【沖縄・久米島の移住定住情報】島ぐらしガイド

 

真面目な顔をして話しても、興味を持たれない

たつみ氏:はい皆さんこんにちは、たつみと申します。大西さんの話に続いて第2部ということでよろしくお願いします。

大西さんも「楽しい」っていう話をしてたんですけれども、僕もずっと同じことを言っていて、「楽しいことしかやらない」っていうのを言っています。

地域活性とかまちづくりっていう話になると、真面目な顔をして話す人が多いんですけれども、僕もね、ずっとそうだったんです。僕の故郷は「小谷村(おたりむら)」って言うんですけれども、「小谷村、このままいくと消滅しちゃうんですよね……」みたいな話をしたら、皆さんすごく深く頷いてくれるんですけども、本当はそれほど興味ないんですよね。「どこだよ小谷村」みたいな(笑)。

小谷がどうとか、僕がいる北アルプス地域がどうとか、そういう話じゃなくて、楽しさを訴求できるかどうかっていうのが大事だなと。「田舎リア充発信」っていうのをずっと言ってるんですけれども、「楽しいことしかやってないです」って言っているうちに、「何やってるの?」と相手の方から聞いてくれるようになったりしたんで、そういうことを今やっています。

自己紹介とやりたいこと

やりたいことは、ふるさと小谷村の消滅阻止。小谷村は、3000メートル級の山々に壁のように囲まれていて、築100年から150年くらいの古民家があるような地域です。めちゃめちゃ綺麗なところです。「小谷村の消滅阻止」が、僕の全ての原動力です。

自己紹介します。LODEC JAPAN(ロデックジャパン)合同会社という会社の代表社員をやっています。最初は僕の家をゲストハウスにすることからはじめて。コミュニケーションが図れるような宿を運営しています。

二軒目には、「カナメノイエ」っていうシェアハウス、みんなで住む共同住宅をはじめました。なんとなく聞こえが近いんですけれども、ゲストハウスワークは旅人を受ける宿で、シェアハウスは地域の人とか、別の地域から来た移住者の人達が一緒に暮らす家です。

あと現在、松本市の南側にある塩尻市で、「シビックイノベーション拠点スナバ」というのを運営してます。ここで週に3日、地域おこし協力隊として働いています。他には、信州移住計画というプロジェクトとか居場所プロジェクトとかいうのに関わっています。

他には旅する古物商hito-toっていう陶磁器の収集販売をするとかですね、旅をナリワイに変えていくとか、講演会の講師であったりとか、写真を撮ったり企画とかディレクションしたりとか、まあいろいろやっています、はい。

で、LODEC JAPAN合同会社なんですけれども、何しているかっていうと、まずはこれを見てもらおうと思います。

これ、僕の家であり、宿でもあるところなんですけれども、築150年ぐらいの建物です。

 

周りに何もないところにあります。観光地じゃなくて、ただただ田舎なんです。

 

だけどこの、ただただ田舎に来たがる人っていうのは、結構いるんですよね。この映像に出てくるのは仕込みっぽいんですけども(笑)、皆さんうちのゲストです。ちょっとした野菜の収穫体験ができたりとか。

ゲストハウスでは珍しいんですけど、共同調理っていう仕組みをとっていまして、 みんなで食事を作るって仕組みなんですけど、この共同調理でお客さん同士が仲良くなるんですよね。

田舎に「来る」「棲む」「働く」を創る

田舎に「来る」「棲む」「働く」仕組みを創ることを考えています。

たとえば、長野県の移住者さん向けの映像を作成しました。この映像が良いので、ちょっと見てみて下さい。

地域の入り口、地域のすみか、そしてその地域でどうやって生きていくか。これをみんなで考えようっていうのをやっています。行政の皆さんや民間の皆さんを混ぜ合わるのが、僕らの仕事です。

例えば、僕がやっていたシェアハウスでは、だいたい月に1回ご飯会をするんです。その時には、だいたい20人から30人ぐらい集まるんですよね。こういう集まりって、移住者の人が集まりやすいんですけれども、うちの集まりはね、どちらかというと地元の方が多いんですよね。6、7割が地元、残りが移住者っていう。地域の若い人たちが集まってくれる感じです。

また、使われなくなったお家を活用して、ここを有効活用していきましょうよっていうことをやってます。空き家は地域の歴史、文化、風土が詰まった宝だと考えてまして。立派な家でも、借り手が見つからなかったら雪に潰されていきます。「そんなのもったいないじゃん、使おうぜ!」というのを中心に活動しています。

2011年から活動して、使われなくなったスペースを使って作った人の流動ってのが、約1万人なんですね。この「1万人」という数字は、使われなくなった家を活用して人が地域を出入りしてるというのを考えると、なかなかの意味があるんじゃないかなと思っております。

塩尻市とはどんなところか

今日の本題に入っていきます。塩尻市の話をします。塩尻市って聞いたことありますか?松本市ならかろうじてありますよね。松本市の下にある、人口6万7千人の町なんです。

シビックイノベーション拠点スナバ。「横文字多すぎるわ」って最初はツッコんだんですけれども(笑)。

「地域市民が生み出す地域変革の場」です。この写真が僕の職場、スナバです。おしゃれっぽく見えるじゃないですか。めっちゃおしゃれなんですよ(笑)。

面白いのが、このおしゃれな場所、行政が運営してるんですよね。行政っぽくないんですよね。僕最近多く言ってるのが、おそらく日本で一番イケてる行政施設ですって。

塩尻市、めちゃめちゃぶどうを作ってる地域です。あとは、塩の道っていって、昔日本海から、塩を運んだ街道があるんですよ。塩尻市は終着地だったんですよね、塩の道の一番最後だから塩尻。

塩尻市には山田さんっていう元ナンパ師のスーパー公務員がいて、「nanoda(なのだ)」っていう、普通の商店街にある空き店舗を使ってイベントをやり続けるっていうのを、5、6年前からやっています。

山田さん、年間200回ぐらい講演してるんですよ。 塩尻にほぼいない。だけど塩尻市は、山田さんの動きを100%支援してるんですよね。塩尻のプロモーションにでもなるって事で、 山田さんのために「シティプロモーション係」っていう係もつくったんです。一人一人のキャラクターをちゃんと立てていこうぜっていうまちですね。

あとは、市立図書館「えんぱーく」というのが有名です。これね、外観からじゃ分からないんですけれども 、めちゃめちゃ人が集まっている図書館なんですよ。全館 wi-fi を完備していて、1階にカフェがあって。

シビックイノベーションと地域活性化

で、シビックイノベーションって何だよ、っていう。「シビック」というのは市民ですね。「イノベーション」は改革を起こすって意味。なので、「市民の力で地域を変えようぜ」っていうのが、シビックイノベーションという意味です。で、シビックイノベーションと、今日のテーマの地域創生っていう話とイコールだと思うんです。

地域活性とは「足りないものが新たに生まれること」

そもそも「地域創生とか地域活性って何?」という話をしようと思うのですけど、僕なりの考え方としては、地域に足りないものが新たに生まれることが、地域活性なのかなって考えてます。

言い始めるといっぱいあるんですよね、足りないもの。久米島にとって何が足りないかってのは人それぞれだと思うんですけれども。足りないと不便なんですよね。で、不便だと暮らしにくい。暮らしにくいと人口流出が起きるんじゃないかと考えています。

で、地域創生とか地域活性というのは、「地域に足りないものが次々と生まれること」なんじゃないかなと考えます。

何かが生まれるには人が必要

そして、何かが新しく生まれるには、人が必要なんですよね。だから、地域と関わる人を増やす。関係人口とかね、僕は地域流動って言ってますけれども、地域にいかに人が入ってくるかっていうのを考えています。

コワーキングオフィスというのも、一つのスペースを、みんなでシェアしながら仕事をしようぜ、っていうこと。その中で、イベントとかコミュニケーションが生まれるんですよ。

これね、僕がよくやっているご飯会。食べ物があると人が集まるんですけれども。やっている目的としては、こんな場でコミュニケーションが生まれて、それがきっかけで仕事が生まれていくんじゃないか。

例えばモノを作ってる人とデザイナーがいたら、 全く新しい商品が生まれるかもしれない。だから、起業家のセミナーであったり、視察の受け入れ、学生インターンの受け入れとか、色んなことをやっています。

地域の人、ママさん、学生、公務員、企業とか、スナバとつながることによって、いろんなトライアンドエラーができるんですよね。僕は実証実験ってよく言うんですけれども、人前で喋ったことないけれども喋ってみるとか。 失敗したけれどももう一回やってみるとか、そういったことをスナバを使って皆さんやっています。

これが続くとどうなるかというと、自分で起業してみたりとか、企業の人達が「これ、できそうだから、新規事業立ち上げようか」とか。そして、交流人口、関係人口が増えてくんですよね。これが広がっていくと地域振興、地域改革につながっていくんです。これがシビックイノベーションなんです。

足りないものを「混ぜる」

じゃあ、地域流動を増やすには何が必要なのか三つの要素があるんじゃないかなと考えました。それがね、「泊まるところ」と「混ざるところ」と「働くところ」じゃないかなと。

 

これはLODECで言っている、地域に「来る」「棲む」「働く」を作るってことと一緒なんですけども。まず地域に泊まれるところ、ベッドがあって、地域の人と外から来た人が混ざれるリビングがある。そして働くところがある。

僕らの場合、これが、ゲストハウス、シェアハウス、コワーキングオフィスなんですよね。塩尻で、これから新規で起業家を育成していくようなコワーキングスペースがありつつ、 ベッドとリビングを僕が作れば、もしかしたらいい感じになるんじゃないかと。

北アルプス地域は、行政がちょっと弱いんですよ。塩尻市は民間がちょっと弱い。そしたら、北アルプスと塩尻を混ぜようってのを考えるんです。北アルプス地域と塩尻地域の、強いところと弱いところを混ぜ合わせたら、 何か強くならないかな、ということを考えてます。

地域プラス行政みたいな、官民協働のリアルモデルというのは、長野県では今のところないんですよ。これをちゃんと作りたいと思ってます。地域みんなで、地域のことをちゃんとやるっていうことが、地域活性に繋がるんじゃないかと思います。

久米島の次の一手を皆で考えよう

久米島の次の一手について。(決まった答えがあるわけではなく、)「どうします?」って話を、みんなで考えましょう、ってことですね。

・地域に足りないものってなあに?

・地域には人が必要。

・地域流動を目指すには?

これを一緒に考えましょう。

これで僕の話は一旦終了としたいと思います。どうもありがとうございました。

会場からの質問

質問:面白い話をどうもありがとうございました。行政と地域とをつなぐときに、たつみさんが気をつけてる事というか、ここはコツだなと思うようなことがあれば、ぜひ。

たつみ氏:まず北アルプス地域の場合、 僕がやったこととしては、シェアハウスのリビングにひたすら行政の人達を呼びつける、ということをやっていました。

けっこう、行政の人も、地域の人も、お互い勘違いしてるんですよね。 行政は頭が固いとか、やる気がないとか。行政の人はそういうこと言われるから地域の人とあまり接しないようにするんですよ。

まずは私服でお互い地域の者同士として喋るという場を作る。で、そのときには、地域の話を基本的にしないようにしています。

なんでかって言うと、暑苦しければ暑苦しいほど、若い子、逃げてくんですよね。行政の人達は特になんですけれども、行政という看板を背負っているだけで、「祭り出ろ」とか「消防団出ろ」とか、「自治会の会計やれ」とかね、言われちゃいます。地域にうんざりしているところがある。

じゃなくて、純粋に地域のいち市民として、まずは飯でも食いましょうというのをやり続けています。

質問:行政と地域住民の温度差についてなんですけれども、地域住民の方からはどういう反応が具体的にあるのかと、それに対してどういうアプローチをとっているのかを具体的に聞きたいです。

たつみ氏:塩尻のまちづくりを頑張ろうぜ、って言ってるのは宿場町のエリアなんですけれど、地域住民の人たちからじゃなくて、行政や第三セクターが「このままだったらまずいですよね、何かしませんか」って言ってる感じなんです。

大町市とか、白馬村や小谷村だと、まちの人から行政に「ちょっと動いてくれよ」「手伝ってくれよ」というように声をかける流れが多いんですけど。塩尻はその逆なんですよね。

逆に考えると、市民があせり始める一歩手前から、行政がそれに対して対応してる、という考え方はあるかもしれない。あとは、塩尻は東京にも名古屋にもすぐ出れるし、めちゃめちゃ歴史文化がある地域なので、まちの人からは「別になんでそんな焦ってんの?」という風に捉えられているかもしれないですね。そこまで衰退してないというか。