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久米島の企業の魅力を知る

『久米島から世界へ』株式会社ポイントピュール

『久米島から世界へ』株式会社ポイントピュール

「久米島にいながら世界で勝負できる。すごく面白い仕事。」

 

小さな離島、久米島から、世界へ挑戦している企業があります。それが株式会社ポイントピュール。

海洋深層水や沖縄の天然素材を使った化粧品の研究開発、販売を行っています。その製品の質は多くの企業に評価され、自社製品の他に、現在80社からの受託生産(OEM)も行っているそうです。

 

元々は島で理美容院を経営していた大道敦社長。会社設立に至るまでの経緯を教えてくれました。

 

「理美容院をやっていく中で、人口が減るとともに売り上げが減っているのが分かっていた。だからこの島にいながら世界に売れるものは何かとずっと考えていた。」

そんなときに出会ったものが海洋深層水だったそうです。化粧品の中で最も多い成分は他ならぬ『水』。シャンプーを使うことによる手荒れに悩んでいた大道社長は、久米島の海洋深層水を使えば、手が荒れない安全なシャンプーが出来るのではないか、と考えたそうです。

 

「安心・安全なものをお客様のためにも、自分のためにも使いたい。」

 

水以外に大道社長がこだわったのは、沖縄の天然素材を使うことと先人の知恵を生かすこと。

 

「昔、シャンプーもない頃に、先人たちは『クチャ』という土を取ってきて髪を洗っていた。これを実際に分析してみると、毛穴の40分の1のサイズで汚れを吸着する力があり、洗顔やシャンプーに適していることが分かった。昔の人はこういうことを分かっていた。先人の知恵を分析して、天然素材を加工して出すことによって付加価値が生まれる。」

 

徹底的に質にこだわったポイントピュールの商品はベトナム、中国、台湾、韓国、ロシアなど世界各国でも高い評価を受け、2018年には<第7回ものづくり日本大賞 優秀賞>にも選ばれました。

「人をきれいにするという仕事をさせてもらえている。相手に喜んでもらって報酬をもらう。こんなにいい仕事はないと思う。」

 

創業して17年。数々の困難もありながら、ここまで会社を大きくしてきた大道社長が考える、経営する上で大切な事とは?

 

「まずやること、そして考えること。」

 

「考えてからやる人がいる。でもやってみないと分からない。やらんとだめ。まず歩かないとだめ。歩く前からどうしようか考えている。出来ない人は出来ない理由ばっかり言うんだよ。」

行動しないと何も生まれない。42歳で創業し、五里霧中の中走って来た大道社長の信念を感じました。

今後の課題について

「いいものを作っていても発信する力がまだまだ弱い。今回ものづくり大賞をもらったように、質は評価してもらえた。あとはいかに国内外に発信するか。」

 

2022年度までの目標は売上10億円。大きなビジョンに向かって突き進んでいく強さと勢いを感じました。

 

東京出身の石塚晶一さん。

転職を決め、久米島にやってきたのは1年前。大きな決断に周囲からは反対されることもあったそうですが、島での生活に本当に満足しているとのこと。

 

「野菜のおすそ分けをもらったり、そういう人間らしい生活を送れていることが嬉しいですね。」

 

「会社にきっかけをつくってもらって今ここで生活が出来ている。その恩返しをしたいなと思っています。久米島、沖縄にはいいものがいっぱいあると思うんですよね。でもあまり知られていないので、それをうまくアピールして、みなさんに使っていただければと思います。」

 

最後に、大道社長のこんな言葉を紹介したいと思います。

 

「販路開拓する上で非常に不利だった久米島。最近は逆の考えをするようになってきた。沖縄県のハブ化政策で、那覇空港からアジアに出荷できるようになってきた。沖縄、久米島を中心に考えるようになってきた。久米島にいながら、県外、海外にも出ていく。こんなにやりがいのある仕事はない。」

久米島から世界へ。

小さな島の企業から、大きな挑戦が始まっています。

インタビュー:岡本耕平