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久米島商工会会長 嘉手苅 一(かてかる はじめ)さん

久米島商工会会長 嘉手苅 一(かてかる はじめ)さん

  • 嘉手苅一(かてかるはじめ)さん
  • 昭和26年生
  • 久米島商工会会長、有限会社仲里石油商会社長、
    FM久米島株式会社代表取締役、久米島高校魅力化プロジェクト会長など
  • 久米島町出身

2016年5月に発足したばかりの、久米島 島ぐらしコンシェルジュ。 スタッフは移住者ばかりということもあり、まだまだ島のことがわかりません。 島の重鎮である嘉手苅一さんにお話を伺いました。 (聞き手:石坂達)

久米島のみなさまはご存知、久米島商工会会長、嘉手苅一さん。
昭和26年11月15日生。
久米島商工会会長、有限会社仲里石油商会社長、FM久米島株式会社代表取締役、 久米島高校魅力化プロジェクト会長など、重要な役割を担われています。
子供の頃から海や川やイノー等、自然の中で遊んで育ち、特に相撲はかなり強かったそうです。


「共存共栄、そして誇りが高い。それが久米島人の気質」 

Q.島人の気質や特徴は?
A.共存共栄。この島の特性として、争いごとをしないような島民性があるもんだから。
あと、島民性を一番よく分かる事例がね、18世紀に中国船が難破した時に
真謝(※まじゃ:集落の一つ)の人たちが助けてあげた。
でも助けたことを久米島の人は言いふらさない。
人道的に当たり前なことだから。プライド、誇りが非常に高いんだろうな。

人を受け入れる包容力は世界一だよ。
福島の子たち(※1)や、120年前の鳥島の受け入れ(※2)や、高校留学(※3)も。
特に高校留学は、都会からの留学生が地域の子供達とうまくやれるかと
責任者として心配していたんだけど、心配いらなかった。
むしろみんな馴染んでとけ込んでいる。
久米島には人を受け入れる力が無意識のうちにある。

「2025年に人口8500人という第二次総合計画の目標も決して不可能ではない」 

Q.久米島の今直面している大きな課題は何でしょうか?
A.気になっているのは、行事を開催したりと、
地域コミュニティの基盤になっている校区が、今のまま維持できるかどうか。
子育て世代や若い夫婦が住んでくれたら校区も元気になり、久米島も元気になる。

いま町が目標にしている10年後に人口8500人という目標も、
非常に高い壁に見えるけれども、そんなに難しい問題ではないと思う。
仕事、暮らし、環境、医療含めて徐々に生活環境を整え、
更に海洋深層水を核とした産業構造をきちっとすれば。
この島の地理的条件や、例えば県内の土質が全て揃っているとか、
豊かな水やラムサール条約に登録された湿地があるとか、
元々島が持っている良い素材をきちんと活かすことができれば、実現不可能ではないと思う。
産業の横軸と、世代の縦軸が紬のように連携をとれれば。
むしろ、移住したい人が増えて、来る人を選べる、
定員制限を設けるくらいの島になれるようにしていきたい。

「手取り一人20万、世帯で40万の金額を目指していきたい」 

Q.今取り組まれていることはなんでしょうか?
A.所得の向上を目指している。

島の特産品の販路拡大、新しい商品の販路開拓。
例えば、これまでは原料出しだった紅芋の加工施設をつくり、
付加価値をつけて販売することに挑戦している。
このような取り組みを経て、所得向上に繋げられればと思っている。
具体的には、手取り一人20万、世帯で40万の金額を目指していきたい。

だけれども、所得だけ、豊かな暮らしだけを追い求めるのではない。
物質的な豊かさ便利さを追求する時代から、
自然や環境、安全安心を追求する時代にシフトしている。
あなたたちも、東京がないものを求めて久米島に来ているでしょ?
そういったものが残るようなまちにしていきたい。

10年やそこらではなく、50年後久米島がどうあるべきかを考えて
景観や環境に配慮したまちづくりをするべきだろう。

また、様々な問題の根幹は経済と教育にある。
この2つは両輪である。不景気などに関係なく、次世代の子たちには
充実した教育が提供できるようにしていきたい。
「右手に鉛筆、左手に箒」で、外見的にも内面的にも美しさを大切にする教育を
推進してほしい。

「ホッとして HOTな島」 

Q.久米島のよいところ、魅力はなんでしょうか?
 「ホットしてHOTな島」って所。この島に帰ってきた時にほっとするんだよね。
そんな感じ。はじめて案内した人も6割くらいの人がいうね。
「この島ほっとする」って。
で、活発で、アツいところもある。そんな所かな。

嘉手苅会長、ありがとうございました!!(石坂)


※1 NPO法人球美の里が運営する福島の子どもたちの保養施設が久米島にあります。
※2 久米島の北東約200kmにある硫黄鳥島が1903年に噴火し、島民の殆どが久米島に避難しました。
※3 久米島高校魅力化プロジェクトの1つ、島外からの生徒を募集する離島留学制度のこと